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  間違いだらけの「お葬式」
 
 日本の葬式の多くは、仏式でおこなわれています。しかし、結婚式は数年前までは神前で行われ、最近ではチャペルでの結婚式が流行です。年始は神道、葬式とお盆は仏教、クリスマスと愛の告白(バレンタイン)はキリスト教。日本人は宗教をうまく使い分けている(?)と感心してばかりはいられません。
 実は、仏式と思い込んでいる葬式も、お経以外は、仏教と儒教と神道、それに地域の習俗をミックスしたもので成り立っています。問題は、それを私たちは昔からの「しきたり」だと思いこみ、とんでもない勘違いで故人を送り出していることです。
故人は頭をかかえている
 葬式には迷信も数々あります。なかでも仏滅や友引など「六曜」による日取りは、中国の三国時代に軍師として活躍した「諸葛孔明」が考え出した戦の暦で、仏教とは何の関係もありません。それぞれの意味は
 ●先勝は「先んずれば人を制すということにて、諸事急ぐことによし」
 ●友引は「相打ち共引とて、勝負なしと知るべし」(元々は共引)
 ●先負は「先んずれば負けるという意にて、諸事静かなるによし」
 ●仏滅は「何事にも凶、諸事慎むべし」(元々は物滅)
 ●大安は「何事にも吉、万事利ある日なり」
 ●赤口は「中間を吉、前後を凶とす。この日、吉日にあらざれば用いざるがよし」
 ですが、「友引」は元々「共引(引き分け)」なのが、亡くなった人が友を引っ張って連れて行くという解釈になり、友引の日には葬儀をしてはならないとなり、火葬場はお休みとなりました。(最近では「友引」は迷信だとし、火葬場の定休日にしない地域もあります)
語呂合わせに一喜一憂
 単なる語呂合わせがしきたりのように思われているのもあります。典型的なのが「四十九日法要の日取りは三ヶ月にわたってはいけない」というものです。
 仏教では、亡くなった日から七日ごとに七回の裁きがあり、最後の四十九日の日に六道(地獄、畜生、餓鬼、修羅、人間、天界)のどの世界に輪廻転生するか決まるといわれていて、その最後の日に四十九日の法要をして納骨をする儀式があります。
 その法要の日取りは三ヶ月にわたるといけないといわれ、その前に納骨の法要をしなければいけないと物知りのご年輩の方から忠告されるようです。
 これは、「四十九日」を「始終苦日」に、「三月」を「身付き」に置き換えて、「始終苦日が身に付く」という語呂合わせであり、迷信以前の洒落なんです。
白木祭壇は戦後のヒット商品
 仏式葬儀によく使われている白木の祭壇は昭和初期に考案され、昭和30年代に普及しました。
 これは、戦後都市化がすすみ、葬儀のメインイベントであった野辺送りが「霊柩車」の普及で姿を消すなか、野辺送りのときに使っていた棺桶(座棺)を入れた御輿の車からヒントを得て、祭壇用に加工したのがはじまりのようです。
  葬儀社にとっては使いまわしのきく白木祭壇はありがたい葬儀用具となり、ヒット商品として戦後いっきに普及しました。つまり、仏教とはあまり関係のない用具が、いつのまにか葬儀の中心を占め、遺族は昔からあるありがたい宗教用具と錯覚して、高い料金を支払ってきたのです。はっきり言って、宗教的には関係有りません
高度成長で葬儀も大型化
 通夜はほんらい、文字通り、遺族や近親者が“夜を通して”遺体のそばにつどい、故人をしのぶ最後の夜でした。しかし、戦後高度成長にともない葬儀は大型化し、故人をあまり知らない会葬者であふれるようになりました。さらに、一般会葬者は欠勤して参列する日中の告別式よりも仕事帰りの通夜に参列するようになり、通夜は告別式化され、遺族は会葬者の接待に追われることになりました。
 本来、通夜と葬儀は、故人と家族の私的な別れの儀式です。しかし、通夜も葬儀も一般会葬者であふれるようになると告別式化し、家族の思いよりも社会的な儀礼が優先され、高度成長の中で虚礼化していったのが現代の葬儀でしょう。
見栄や形式にふりまわされ
 このような事例は枚挙のいとまがありません。現代の葬式は、故人のことより、見栄えや形式にふりまわされ、いそがしい葬式になってしまいました。
 わたしたちは、このような「故人の軽視」を深く反省しなければなりません。死にたいしてちゃんと向きあって、故人と故人をしのぶ心をたいせつにする葬儀を取りもどさなければなりません。そのような葬儀の一つとして“故人と家族”をたいせつにする「家族葬」を積極的にすすめようとかんがえています。
     

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